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07/03/14
センバツ 球児の「歯」守りたい
「相次ぐ球児の歯の事故で役立ててほしい」。23日開幕するセンバツ高校野球大会を前に、ボールが当たるなどのけがで抜けた歯を接着治療するための保存液が、出場する全32校に配られる。今年1月、がんで亡くなった大阪府箕面市の歯科医、吉川闊(ひろし)さん(当時69歳)の遺志を生かそうと、日本高校野球連盟が配布を決めた。連盟は「先生の思いを受け継ぎ、球児の安全を心がけたい」としている。

保存液の製造販売元によると、菌の付着を防ぎ、細胞組織を保護する効果がある。途中で欠けた歯の再生は難しいが、根元から抜けた場合、保存液に入れて24時間以内に治療すれば、元通りに根付きやすいという。市販はしておらず、学校や歯科医向けに7、8年前から製造しているが、あまり普及していない。
昨夏の甲子園でも、練習中の選手に打球が当たり、歯が抜ける事故が発生。球場に保存液はなかったが、すぐに大阪歯科大付属病院(大阪市中央区)へ運ばれ復元できた。吉川さんは担当医の話で治療効果の高い保存液があることを知り、同病院に勤める歯科医の長男一志さん(39)に相談。大会期間中、球場に保存液が用意された。
その後、吉川さんは、がんで入院。昨年12月末、見舞いに訪れた連盟の田名部和裕参事(61)に、甲子園の出場校に保存液を配るよう依頼し、約20日後に他界した。一志さんの要望で同病院が保存液40本(1本35ミリリットル入り)を連盟に寄付し、出場校の監督らが出席する14日の代表者会議で配られる。
吉川さんは高校3年の夏、投手として大阪大会ベスト8入りした元球児。卒業後は、府立高の野球部監督や連盟監事を務め、昨年は早稲田実業の斎藤佑樹投手らの検診も手がけた。一志さんは「病院は選手のための救急体制も整えてくれた。父の遺志をケアに生かしたい」と話している。
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